ワイヤードという街角では,違う人格を形成できる。胸の奥で思い描いていた人格で,行動することもできる。悪いやつになりたいと思うのも,まぁ,ありだ。だが,本物の悪いやつになるには,経験と修業も必要。
ヤフー・オークションを悪用し,落札者から代金を騙し取った男が詐欺容疑で逮捕された。今回の事件は,被害者が住所を調べ,自宅に行き,話し合いの上で警察に連行したという点が注目された。被害者はいずれもインターネット上で詐欺が起きていることを知っていたが,ある程度の安全に慣れてしまったようだ。
記事を読んでいちばん不思議に思うのは警察の対応。被害届を出そうとしても捜査できないと言い,加害者の自宅に行くというと行かないで欲しいという。被害者のページでも,警察がいいかげん,という一文がある。警察の方には,なぜ被害者が加害者と対峙するような状況を作ってしまったのか聞いたみたいものだが。
いいにつけ,悪きにつけ,ヤフー・オークションは面白い(以下,やじ馬的で,被害者の方には申し訳ないが…)。2chのヤフー掲示板もネタが尽きない。ほんで悪いやつがうじゃうじゃいて,糾弾するページもある(Link,Link)。そこから悪いやつらの評価や手口を目にするのは生々しくて楽しい(今回逮捕された人の評価も残っている)。悪いやつの割合は,ワイヤードもリアルワールドも変わらないだろう。ただ,ワイヤードには「にわか悪いやつ」が多い。だから詐欺の手口も幼稚だ。詐欺師は騙せる相手を見極められてこそ,だ。手当たり次第にやっているYahoo!オークションの詐欺師たちは,だからいい笑いものだ。
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